
「6つの係数」ってなに?もうすぐ試験だけど、6種類も覚えられないよ…何かいい方法はないかなあ?
こんにちは、ナマケモノです。私は家計管理の不安を解消するために、独学でFP3級の勉強をしています。
この記事では、私がFP3級の勉強をしてつまずいた、資金計画で使用する「6つの係数」についてお話しします。
こんな疑問をもつ人へ
- 「6つの係数」ってなに?
- 「6つの係数」の簡単な覚え方はないかな?
- 試験ではどのように出題されるのかな?

誰にでも分かりやすいように、簡単な言葉を使って説明するよ。
6つの係数ってなに?

6つの係数とは、資金計画の計算に使用する係数のことです。
資金計画ってなに?
資金計画とは、何かの目的のためにお金を準備する計画を立てることです。例えば次のような目的のために、お金を準備します。
- マイホームを購入するため
- 子供の教育資金のため
- 老後の生活のため
お金は貯金や投資によって準備します。その具体的な金額を計算する時に使用するのが「6つの係数」です。

貯金や投資をすることを「資産運用」というよ。貯金はためること重視、投資は増やすこと重視だよ。
6つの係数をそれぞれ解説
6つの係数は以下の通りです。
資金計画で使用する「6つの係数」
- 終価係数
- 現価係数
- 年金終価係数
- 減債基金係数
- 資本回収係数
- 年金現価係数

うわあああ!いっぱいある~!!ダメだ、拒絶反応が…

そうだよね…覚えられないよね…。一応それぞれの説明をするけど、拒絶反応を起こす人は「6つの係数の覚え方」までスキップして大丈夫だよ。
終価係数
現在の金額を複利で運用した場合の、一定期間後の金額を求める場合に用いる係数
現価係数
一定期間後に一定金額に達するために必要な元本をもとめる場合に用いる係数
年金終価係数
毎年一定金額を積み立てた場合の、一定期間後の元利合計を求める場合に用いる係数
減債基金係数
一定期間後に一定金額を用意するための、毎年の積立金額を計算するための係数
資本回収係数
現在の一定金額を一定期間で取り崩した場合の、毎年の受取額を計算するための係数
年金現価係数
将来の一定期間にわたって一定額を受け取るために必要な元本を計算するための係数
6つの係数の覚え方

「難しいことばでよく分からない!」「6種類も覚えられない」という人も、次の手順で考えれば大丈夫!たった2ステップで覚えられます。
【ステップ1】キーワードを探す
まずは問題文の中から、キーワードを探しましょう。キーワードには次の3パターンがあります。
「一定利率(年利~%)で複利運用」のみ
「一定利率(年利~%)で複利運用」というキーワードのみが出てきたら、次の2つのどちらかです。
- 終価係数
- 現価係数

最初にお金(元本)をドーンと用意して、そこからちょっとずつ利息が増えていくパターンだよ。
「積み立て」
「積み立て」というキーワードが出てきたら、次の2つのどちらかです。
- 年金終価係数
- 減債基金係数

お金を毎年ちょっとずつ用意して、ちょっとずつ利息が増えていくパターンだよ。
「取り崩し」or「受け取る」
「取り崩し」or「受け取る」というキーワードが出てきたら、次の2つのどちらかです。
- 年金現価係数
- 資本回収係数

最初にお金(元金)をドーンと用意して、運用しつつ、ちょっとずつお金を引き出していくパターンだよ。
追記:「借入元本」or「毎年の返済額」
住宅ローンの「借入元本」や「毎年の返済額」を求める場合でも、「年金現価係数」や「資本回収係数」を使って求めることができます。
- 「借入元本」を求める→「年金現価係数」
- 「毎年の返済額」を求める→「資本回収係数」

今までは「お金を貸す(運用する)側」だったけど、住宅ローンの計算をする場合「お金を借りる(運用される)側」だね。どっちの立場でも使う係数は一緒!
年利率4%(固定金利)の住宅ローンを借り入れ、25年間にわたり毎年150万円を返済する計画の人が、返済額から借入元本を算出する場合には、「150万円×〔利率4%、期間25年の( )〕」により求めることができる。
FP3級 学科試験 2009年9月
この問題では「借入元本」を求めるので、年金現価係数を使用する。
【ステップ2】どの時点の金額を求めるのか?
ステップ1で、選択肢が2つに絞られました。最後に「どの時点の金額を求めるか」を確認すれば終了です。
現在必要な金額(元本)
現在必要な金額(元本)を求める係数は、次の2つのどちらかです。
- 現価係数
- 年金現価係数

「現」という字が入ってる係数は、現在の金額(元本)を求められるよ。
終わりの金額(~年後の金額)
終わりの金額(~年後の金額)を求める係数は、次の2つのどちらかです。
- 終価係数
- 年金終価係数

「終」という字が入ってる係数は、終わり(~年後)の金額を求められるよ。
毎年の金額(毎年~万円ずつ)
毎年の金額(毎年~万円ずつ)を求める係数は、次に2つのどちらかです。
- 減債基金係数
- 資本回収係数

「現」と「終」どちらの字も入っていない係数は、毎年の金額(毎年~万円ずつ)を求められるよ。
以上の2ステップで、どの係数を使えばよいのかが分かります。
6つの係数を使った計算方法

いま分かっている金額に、係数をかけるだけです。
係数は問題文に記載されているので、覚える必要はありません。
過去問を解いてみよう

使用する係数を問われる問題
一定の利率で複利運用しながら、毎年一定金額を積み立てた場合の一定期間経過後の元利合計額を試算する際、毎年の積立額に乗じる係数は、( )である。
FP3級 学科試験 2017年5月
【ステップ1】キーワードを探す
この問題に出てくるキーワードは「積み立て」です。
ということは、
- 年金終価係数
- 減債基金係数
のどちらかです。
【ステップ2】どの時点の金額を求めるのか?
求めるのは「一定期間後の元利合計額」つまり「終わりの金額」です。
したがって正解は「年金終価係数」です。
係数を使って、計算する問題
元金3,000万円を利率(年率)1%で複利運用しながら、15年間にわたって毎年均等に取り崩して受け取る場合、毎年の受取金額は( )である。なお、計算にあたっては下記<資料>の係数を使用して算出するものとする。
<資料>利率(年率)1%・期間15年の各種係数
終価係数:1.1610 減債基金係数:0.0621 資本回収係数:0.0721
FP3級 学科試験 2019年9月
【ステップ1】キーワードを探す
この問題に出てくるキーワードは「取り崩し」です。
ということは、
- 年金現価係数
- 資本回収係数
のどちらかです。
【ステップ2】どの時点の金額を求めるのか?
求めるのは、「毎年の受取額」つまり「毎年の金額」です。
したがって「資本回収係数」を使用します。
あとは掛け算するだけです。
いま分かっている金額3,000万円に、の資本回収係数の0.0721を掛け算して、終了です。
30,000,000×0.0721=2,163,000
よって正解は、2,163,000円です。
以上、資金計画で使用する「6つの係数」についてお話ししました。
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